骨盤底筋群を活性化させるために「お尻の穴を締めて~」と聞くことがありますが、それがいいのか正しくないのかは、その意図によります。
インナーマッスル、インナーユニットを活性化させたいならば、その言葉はNGというか正解ではなく、インナーの活性化は不充分です。
↑骨盤底筋群は、このように骨盤の底をハンモック状に走ります。
産後などは、この筋肉が緩くなり尿漏れが起こります。
↑真下から見た骨盤底筋群はこちらです。肛門挙筋、尾骨筋などで構成されます。
これらの骨盤底筋群は、ハンモックのようになっている解剖から見ても、お尻の穴を締めるよりも〈お尻の穴もしくは膣を男性ならば睾丸を頭方向に引き上げる〉イメージを持ったほうが活性化してきます。
お尻の穴を締めることは、骨盤底筋群はそんなに大きく活動せずに大殿筋下部が相対的に大きく活動し、骨盤が後傾しやすくなります。
↑人間のカラダは、腹部をこの横隔膜と多裂筋と腹横筋、そして骨盤底筋の4つのインナーユニット活性化によって腹圧を主にコントロールし、姿勢を重力に対抗するように保持しているのですが、〈お尻の穴を引き上げる〉イメージを持つことで、腹圧が上がり、良姿勢を作ることができてきます。
お尻の穴を締めると骨盤が後傾しやすく、腹圧は上がりきりません。
お尻を鍛えるという意味ではよいですが、姿勢をよくしたいならば、お尻の穴を締めるのではなく、〈お尻の穴を引き上げる〉感覚を持つことのほうが必要です。
くびれ美人代表 畑紀寿