「最近歩く時に後ろから抜かれることが増えた」という方にむけて、今日は歩く速度を上げる方法について書いていきます。
スポーツ医学的には、歩行速度は〈下半身の筋肉量〉に比例すると出ています。すなわち、加齢に伴い下半身の筋肉が落ちるから、推進力を得られにくくなり、歩行速度が遅くなるというものです。
これは間違いないのですが、下半身の筋肉が落ちている方では、それと同様またはそれ以上に体幹、特に腹筋背筋の筋肉量が落ちてしまっているんです。
よって、例えば、膝を伸ばすマシンのレッグエクステンションや膝を曲げるマシンのレッグカールやアブダクションマシンで内ももを鍛えたとしても、ほとんど歩行速度は変わりません。
歩く時には、足首や膝だけでなく、股関節の屈伸がとても大切になります。両足の股関節が連動して歩行に反映されるのですが、その時片側の股関節の力は骨盤帯を介して反対側の股関節に力を伝えています。
この介する骨盤帯の安定に働くのが、腹圧を高める腹筋や背筋です。さらに左右の大腰筋という上半身と下半身をつなぐ筋肉も歩行をより速くすることに関わり、足だけ鍛えて歩行速度はあまり変わらないのです。
よって、歩行速度を上げるためには、〈足と体幹を協調よく鍛えられるもの〉が大切になります。具体的には、スクワットやランジ、デッドリフトなどです。スクワットやデッドリフトは片足でおこなうこともオススメですね。
これらのスクワットやランジが適切なフォームでできるように、柔軟性を確保したり、上半身が崩れないように体幹を鍛えていくことが前提条件となります。
くびれ美人代表 畑紀寿