運動連鎖を理解することで、ボディメイク、姿勢改善が達成しやすくなります。
例えば、有名なのは骨盤が後傾、すなわち丸まると腰などの背骨も丸まりやすく、左右の膝も開きやすくなり、O脚に見えてしまうという連鎖があります。
逆に骨盤の前傾、すなわち立てるように手で促すと、背骨が伸びやすく重心が高くなり、左右の膝も閉じやすくなります。
実際にご自分の手で骨盤を誘導すると、分かりやすいかと思います。
これが運動連鎖で、1つの運動がほかの部分の位置関係に影響を及ぼします。
ここまで説明すると、勘のいい方は気付ちゃうかもしれませんね!例えば、骨盤後傾している方でO脚を改善したい場合、単に内ももを鍛えればよいというわけではなく、骨盤の前傾を促すことで膝の位置が理想のポジションに移行してくる可能性が高いということです。
そう!膝の位置が気になるから膝周りを鍛えることよりも、運動連鎖を意識して、優先順位を決めてアプローチすることで、カラダは効率的に変わっていきます。
運動連鎖はたくさんあるため、今日は骨盤と背骨の曲げ伸ばし連鎖パターンの1つをご紹介します。
【上半身が大きく動く場合】
上半身が大きく動く場合には、動きが小さい場合と比較して、骨盤と背骨が逆方向に動く連鎖があります。
前屈動作と後屈動作のような上半身が大きく動く場合、決まった運動連鎖が骨盤と背骨に生じてきます。
前屈動作
実際にやってみると分かりやすいです。
立った姿勢から、床にあるモノを取る場合、上半身は大きく動きます。
この前屈動作では、背骨は丸まり、骨盤は前傾してきます。元々産まれながらに、反り腰の方やフラットな胸椎を持っていても、この運動連鎖は生じてきます。
要するに、背骨屈曲、骨盤前傾の運動連鎖が、前屈動作では生じてきます。
これをボディメイク的に考えていくと、前屈動作時に骨盤前傾の運動連鎖が生じにくいケースでは、日常生活でヒップ筋を働かせることができにくくなっていると判断できます。
正常に背骨屈曲と骨盤前傾の運動連鎖が出ている方では、モノを取るという動きだけでも、ヒップ筋が動いてきやすいといえるからです。(実際にヒップを触ってみながら、骨盤を立てた状態と丸めた状態で床にあるモノを取ってみてください。骨盤を立てたほうがヒップ筋が動くのが分かります)
後屈動作
前屈とは逆に、バレエダンサーのように背骨を後ろに反る場合は、背骨は伸び、骨盤は後傾してくる運動連鎖が生じてきます。
【上半身の動きが小さい場合】
デスクワークなど上半身の動きが小さい状態での、背骨と骨盤の運動連鎖は上記の逆となります。
これも実際に動かすとわかりやすいですよ。
背骨を曲げる
頭が天井から吊り上げられた姿勢をまずはとってください。
その良い姿勢から、猫背のように背骨を丸めてみてください。このように上半身の動きが小さい場合では、背骨が丸まると骨盤は後傾してきます。
すなわち、背骨屈曲と骨盤後傾の運動連鎖が生じてきます。
背骨を伸ばす
椅子に猫背で座った姿勢から、今度は背骨を伸ばしてみましょう。
今度は、背骨が伸びてくると骨盤が立ってきやすくなります。
背骨伸展、骨盤前傾の運動連鎖が生じてきます。
ボディメイクと運動連鎖は、密接に関係してきます。
要するに、ボディメイクしたい場合には、1つの部分、局所だけ見ていてはダメだということ。運動連鎖を考えながら、どの部分にアプローチするべきかで、カラダはびっくりするくらいに変化してきます。
運動連鎖に関しては、色々これからも紹介していきますね。
くびれ美人代表 畑紀寿