股関節のCPPとLPP

関節には、しまりのポジションとゆるみのポジションというものがあります。
しまりのポジションとは、靭帯や関節包という軟部組織が緊張して、関節が固定され(関節の遊びがない状態)安定性が増した状態のことです。関節の遊びがないため、closed packed position略してCPPと呼ばれています。

そのポジション以外が緩みのポジションというのですが、その緩みのポジションの中でも1番、靭帯や関節包がゆるんでいるポジションを、least packed position略してLPPと呼びます。LPPは、軟部組織が1番ゆるんでいるため、関節の遊びが最も大きく、関節に不安があったり関節周りが硬くなっている場合には、このLPPのポジションをとると、楽になります。例えば、腰が痛い場合には、両足を約90°に上げて仰向けになると軽減します。

基本的に、CPPとLPPどちらも関節の遊びに関することで、関節の適合面積が1番あるというわけではありません。

しかし、〈股関節〉はこのCPPとLPPどちらも、関節の適合が良い状態なんです。すなわち大腿骨と骨盤の受け皿が接している面積が大きいということで、関節の負担を減らすだけでなく、力が出やすいポジションと言えます。

例えば、何か重たいものを下から持つ場合、両足をくっつけたり足を前後開いたりしませんよね?両足を少し開き、外旋気味に立って下のものを持ち上げるはずです。このポジションが、LPPです。

股関節のCPPは、立っている状態から足を後ろに伸ばして、外に開き内側に捻るポジション、股関節の伸展外転内旋位、LPPは、先ほどのものを持ち上げるポジション、立っている状態から足を90°に上げて外に開き外に捻るポジションである股関節屈曲外転外旋位となります。

この2つのポジションとも関節の適合がよい状態となるため、股関節に関しては、足を上げる伸ばす両方の可動域において、この2つのポジションでの可動域がきちんとあるかを確認することが大切です。この2つの可動域が保たれていれば、股関節を痛めにくく機能的に働かせることができてきやすくなります。

腰痛、股関節痛が慢性的にある方では、この2つの可動域が低いことが多々あり、それは関節の適合がよい状態ではなく、安定性を確保して動きにくくなっていることを示唆していて、良い状態の股関節ではないと言えます。

くびれ美人代表 畑紀寿

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