肩痛の予防エクササイズ【棘下筋】

「なんとなく肩に違和感がある」「片側の肩がちゃんとはまってない気がする」など、トレーニングをご自宅でも頑張られている方でも、〈肩に違和感〉〈痛み〉があるという声を見たり聞いたりします。

【肩の構造】

肩関節とは基本的には、〈肩甲骨と腕の関節〉のことを指します。
肩関節は、ざっくり言うと〈5円玉の上に半球状の上腕骨頭が乗っている〉ようなもので、可動性は高いものの、安定性が低いことが特徴です。
肩関節の安定性が低いデメリットを、肩甲骨の動きでカバーしたり、軟部組織(関節包、靭帯など)、インナーマッスルで補強しています。
基本的に、軟部組織は強化しにくいため、肩痛の予防には、骨性に安定性が低い肩関節に負担をかけないように、インナーマッスル強化と、肩甲骨の動きに関わる部分(鎖骨や背骨など)の筋肉のバランスを整える必要があります。

インナーマッスル

肩関節のインナーマッスルは主に4つ(棘下筋、棘上筋、肩甲下筋、小円筋)があります。肩関節において、インナーマッスルの作用は、安定性が低い肩甲骨の面に上腕骨頭を求心的に働かせることができ、肩の安定性を高めてくれます。

腕を180°まで上げた筋電図の研究では、このインナーマッスル4つの中で、〈棘下筋〉の活動が一番大きいというとのが有名です。これは、棘下筋のトレーニングの必要性を意味していますね。
やや専門的になりますが、棘下筋は大きく上部と下部の2つに分けられます。
今回は、肩関節の安定性に強く関わるインナーマッスルのうち、一番活動が強いとされる棘下筋のトレーニング方法をご紹介します。

棘下筋上部のトレーニング方法

棘下筋上部は、肩甲骨の真ん中部分に位置します。
そこを意識しながら、このトレーニングをおこなってください。

↑まずは、鍛える側の腕を上にした横向き姿勢となり、肘をこのように90°に曲げます。肘はワキにつきますが、ワキの少し前に沿うようにセットしてください。床に手がつかないようにしましょう。


↑下側の手で肘を保持しながら、上側の腕をこのように外旋していきましょう。
上腕の回旋以外、どこも動かないように気をつけましょう。腕がカラダから離れたり、カラダが捻ったり、肩甲骨が動くことが多いですが、それはNGです。
肩甲骨の真ん中当たりの筋肉が動いている感覚を持ちましょう。

この動作を20回~30回、棘下筋上部がダルくなるまでおこないます。

棘下筋下部のトレーニング

棘下筋下部は、肩甲骨の下の方に位置する筋肉です。
これからご紹介するトレーニングでは、常にその部分を意識しながら動作を反復してくださいね。

↑まずはこのように鍛える側の肘を90°に曲げて、上腕を90°に上げます。肘を体側より、ややこのように前にセットしましょう。
もう片側の手で、鍛える側の手をこの写真のように支えてください。


↑このように上腕を外旋していきます。上部のトレーニングと同じで、上腕の回旋以外がないようにしてください。肩がすくんだり、カラダが動いてはNGです。

この下部のトレーニングも20~30回、肩甲骨の下側の筋肉がダルくなるまでおこないましょう。

【まとめ】

今日は肩関節の安定に強く関わるインナーマッスルの棘下筋のトレーニングをご紹介しました。
インナーマッスルは、肩甲骨のポジションによって活動が大きくなったり小さくなったりします。
特に、背骨が丸まった状態の肩甲骨では、インナーマッスルの活動が小さくなりやすく、逆に背骨の歪みが小さい場合では、肩甲骨のポジションがよくなり、インナーマッスルの活動が大きくなります。

ゆえに、この棘下筋トレーニングをおこなう場合、姿勢が丸まったり不良だと、棘下筋などのインナーマッスルが効きにくいということです。

このインナーマッスルトレーニングは、メインの筋トレの前に刺激を入れておくと、ケガの予防になりますよ。
畑は、筋トレ前と筋トレ中のインターバルに、このようなインナーマッスルトレーニングをいれています。

参考になれれば、嬉しいです。

くびれ美人代表 畑紀寿

まずは体験レッスンに
お越しください

体験レッスンのお申し込みはこちら
PAGE TOP