「学生時代に懸垂できていたのに、できなくなった…」40代から50代の男性に多いお声です。女性では、「そもそも懸垂自体が昔からできない…」という声を耳にします。
私的には、「懸垂をできること自体が目標なのか?それとも背中をカッコよくしたいために懸垂をしようとしたいのか?」ということがまずは大切であると思います。
今日のブログは、後者の背中の主要な筋肉である〈広背筋、大円筋〉を動員するための、懸垂のやり方とコツを書いていきます。
↑この赤丸の部分を主に動員していきます。
目次
【よくある不良フォーム】
まずは正しいやり方の前にあえて不良フォームから出していきます。
今のご自分の懸垂が背中を本当に使えているのか確認してほしいです。
胸、肩前部の筋肉を使っている不良フォーム
↑このように上体が上がる局面で、背中が丸まってきたり、肩が上がると、背筋(大円筋と広背筋)を使えず、背中と反対側に位置する胸(大胸筋)と三角筋前部繊維の筋肉で懸垂をしてしまいます。
解剖学の知識がある方では、一目瞭然ですが、背中の筋肉は背骨が伸び肩甲骨が引き寄せられ、肩が下がることで強く働きます。
この写真では、その反対になってますね。背骨が伸びるどころか丸まり、肩があがってしまっています。
これは男性にもよくある不良フォームの懸垂の代表例です。
腹筋、股関節前面の筋を過剰に使った不良フォーム
↑こちらも不良フォームです。
この写真では、足がカラダの前に引きあがって懸垂してしまっています。
腹筋で足を引き上げ、反動を使ってあがろうとする方に多いです。
このように足をカラダの前に引き上げてしまうと、背中が丸まって来やすいため、背筋を動員しにくくなります。
【正しいやり方とコツ】
では、ここで大円筋と広背筋を大きく活性化できる懸垂のやり方と、懸垂ができない方ができるようになるコツをご紹介します。
正しい懸垂のやり方
↑懸垂の上がる局面において、背筋を大きく動員するためには、左右の肩甲骨を引き寄せながら下げつつ、背骨をしっかりと伸ばし、〈胸〉の部分を懸垂バーに当てるように、カラダをこのように少し後方へのけ反るようにおこなうことがポイントです。
バーの持ち方は、親指を上にしてひっかけ、小指と薬指に力を入れる感覚で背骨を伸ばして、胸をバーに近づけていきましょう。
そうすることで、背中の筋肉は大きく縮まり、胸や腹筋、肩の前部は逆に伸びます。
両足は脱力しておきましょう。
↑足は伸ばした方が難易度が高いため、難しい場合はこのように足を後ろに向けて膝を曲げてください。
私のキツい場合には、よく膝を後ろに曲げてチーティングします。笑
↑戻る局面ては、このように背骨は伸ばしたままで、肩甲骨を上側に引き上げて、先程縮めた背中の筋肉の伸びを意識しながら、〈ゆっくりと〉下りていきましょう。
下げる最終可動域で、肘が伸びきると力が抜けるため、肘は少し曲がったところで止めて、そこからまた上がる動作を起こします。
↑肘が完全に伸びて、背中の筋肉が脱力しています。これはダメですよ。
できない方ができるようになるコツ
懸垂では、上がる局面が重力もかかり難しくなります。
↑懸垂ができない方では、まずは上がる局面でこのように台や椅子などを使って、ジャンプしてトップポジションまで上がっていきましょう。
↑ここまでジャンプして上がったら、そこで足を後ろにするように膝を曲げて、できるだけゆーっくりと下がっていきます。
この下降局面では、ゆっかりと下がり、背中の筋肉がしっかりと伸びているのかを意識しながら、丁寧に筋肉を動かしてください。
皆様、いかがでしょうか?
懸垂で背中を使えていますか?
参考になれたら嬉しく思います。
くびれ美人代表 畑紀寿