皆様、「年だから…」「運動たくさんするのは苦手」「時間がない」といった理由で、ウエストのくびれを諦めていませんか?
そんなことはありません!
いくつになっても、正しいプログラムを組んで遂行することで、美しいくびれを作ることができます。
そして、ポイントを押さえてトレーニングすることで、効果的かつ効率的にメリハリあるウエストシルエットを作ることができるのです。
↑パーソナルトレーニングの運動前後のお写真です。
たった1回でも、きちんと体系化されたプログラムを遂行できれば、体重は全く変わらなくてもボディメイクできます。
今回は、ウエストのくびれ作りのポイントと、ご自宅でも簡単に取り組めるエクササイズをご紹介していきます。
目次
第一章【ウエストくびれの法則】
ウエストのくびれを作るには、〈法則〉すなわち、ある程度の決まりがあります。
これを実践していくことで、無駄な時間とお金を使わずとも成果を出すことができます。
①-1 カロリーバランス
これはご存知の方も多いかもしれません。
摂取カロリーと消費カロリーのバランスのことです。
ウエストに体脂肪がたくさんついているならば、体脂肪を落とすことはくびれを作る1つの要素となります。
食事から摂取するカロリーが、その人が消費するカロリーよりも少なくないと、基本的には体脂肪は落ちません。
消費カロリーを上げるためには、活動量を増やす、筋肉量を高めて代謝を上げることをオススメします。摂取カロリーだけ減らすと、筋肉も多少落ちて、リバウンドのリスクが増すのです。
電車通勤を自転車にする、歩く距離を伸ばすなどの日常生活で消費カロリーを増やすことができます。
筋肉量を高めて代謝を上げることは、有効な1つの手段となります。代謝が上がると、同じ睡眠7時間でも消費カロリーが高くなるのです。さなわち、同じ生活をしていても、腹部の体脂肪が落ちやすくなるということです。
①-2 骨格を評価する
身長が同じでも背骨が長い方、骨盤が横に広い方、背骨でも胸椎のカーブが小さい方など、体型には個人差があります。
例えば、分かりやすいケースとしては、骨盤が横に広い方、肋骨最下部と骨盤までの距離が長い方では、メリハリあるウエストのくびれを出しやすい骨格と言えます。
逆に、骨盤の横幅がない方では、ヒップ横側の筋肉のボリュームを出すことにより、メリハリあるくびれを作ることがポイントになります。
さらに、遺伝的、構造的ではなく、後天的に骨格がくびれを作るためにはマイナスに働いていることもあります。
↑例えば、上の写真のように肋骨の下端が広がっている方がいます。
肋骨の下端が広がっていると…体脂肪ではなく骨で太って見えてきやすくなるのです。
この肋骨下端の広がり現象のことを〈リブフレア〉と呼び、主に外腹斜筋の筋力低下が挙げられます。
通常は、70°~90°なのですが、100°以上ある方もいらっしゃり、この評価を適切にすることで骨格にフォーカスするか、体脂肪なのかを明確にできます。
①-3 姿勢を改善する
これはどの目的&目標でも、必要になる部分ではありますが、くびれ作りでも同様に大切です。
重力に押し潰された姿勢よりも、抗重力姿勢のように、ピンと伸びた姿勢によってウエストはくびれやすくなります。
例えば、猫背で座ってその時のウエストのくびれの状態を把握して、そのあとにピンと天井方向へ伸びてみてください。
ウエストのくびれが猫背姿勢よりも出やすくなるかと思います。
①-4 インナーユニット
インナーユニットとは、おなかから腰周りにかけてのインナーマッスルの集合体のことです。
横隔膜、腹横筋(腹筋最深層筋)、多裂筋(背骨の深層筋)、骨盤底筋群の4つで構成されています。
丹田といったりしますが、人間のカラダの重心は、おへそのやや下に存在します。
その重心周りにあるのが、インナーユニットなのです。
この4つがバランスよく協調して働くことで、重心コントロールが安定し、姿勢がよくなり、ウエストが細く見えてきます。
さらにこの4つの中の1つ、腹横筋はコルセットの様な筋肉の走行になっており、縮みながら働くとコルセットや着物の帯を締めるように働き、〈ウエストのくびれ〉を作る筋肉です。
この腹横筋を適切に働かせるためにも、このインナーユニットの機能向上はとても大切になってきます。
第二章【ウエストくびれが出来ない要因】
ウエストのくびれ作りを阻害する因子が、大きく3つあります。
この因子があると、ウエストくびれエクササイズをおこなっても、効果が低くなってしまうので、整えていく必要があります。
②-1 胸郭が硬い
胸郭とは、背骨の胸椎部分、肋骨、前側の胸骨で構成されています。
胸郭は肺や心臓などの臓器を守る役割があるのすが、硬くなりやすいのです。
インナーユニットの骨盤底筋群を除く3つの筋肉は、胸郭に付着するため、胸郭のバランスのよい柔軟性は、筋肉の働きを向上させます。
②-2 骨盤周りが硬い
こちらは想像しやすい方もいらっしゃるかもしれません。
フラフープをされている方では、くびれが大きい方が多いですよね。
骨盤がバランスよく動く必要があるからなんです。
そして、さらにはバランスも大切です。
骨盤が右側へ動くけれど、左側へは動きが小さいというのでは、左右非対称なくびれになってしまいます。
バランスも整えていくことが大切です。
②-3 インナーユニットの機能不全
第一章で、インナーユニットの重要性は説明しましたが、機能不全が多い部分です。
特に多いケースでは、デスクワーカーなど座る時間が長い方です。猫背姿勢とも言えますが、そのような方では、背骨が丸まりやすく、横隔膜が垂れ下がり、インナーユニットが機能しなくなってきます。
ゆえに、メリハリあるウエスト作りを阻害してしまいます。
第三章【くびれに必要な柔軟性チェック】
くびれを作るインナーユニットがある胸郭と骨盤の柔軟性をチェックしていきましょう。
この柔軟性が高い方では、くびれを作りやすいですし、柔軟性が低い方でもチェックし改善していけば、くびれを作りやすくなります。
③-1 胸郭の柔軟性チェック①
お仕事中でも比較的簡単にチェックできるものです。
↑この写真のように、少し腰を曲げた状態から、頭は動かさないように、左右へ捻っていきましょう。
左右へ捻りながら、後ろの見える位置がどの部分かを確認してください。
肩が天井を向かないようなら、胸郭が硬い可能性が高いです。
③-2 胸郭の柔軟性チェック②
ご自宅やジムなど、横向きになれる場合にオススメのチェック方法です。
↑このように横向きに寝て、胸を開いていきましょう。
開いた側の肩甲骨が床に接地すると胸郭の柔軟性があるというチェック方法です。
床につかない場合、硬い可能性が高いですが、床と肩甲骨との距離を把握しておくと、ストレッチ後の評価にも使えます。
③-3 骨盤周りの柔軟性チェック①
椅子を使い、簡単に柔軟性をチェックできる方法です。
椅子の高さは、太ももが床と平行(股関節と膝)になるような高さが好ましいです。
↑このように良姿勢で座り、胸から上を動かさないように、片側の坐骨に体重をかけ、もう一方の骨盤を引き上げていきます。
ご自身の拳が入るくらい、骨盤を引き上げることができれば、柔軟性があるといえます。
胸から上が片側へ倒れていないかチェックしていくことがポイントです。
③-4 骨盤周りの柔軟性チェック②
先ほどと同じように椅子を用いておこないます。先ほどは、骨盤の左右の柔軟性のチェックでしたが、前後の動きもチェックしていくこともくびれ作りに必要な評価項目です。
↑良姿勢で座り、このように胸から上を動かさないように、骨盤の前後傾をおこないます。
前後傾の移動距離をご自身の感覚でよいので、捉えてみてください。
前傾への動きは大きいけれど、後傾への動きが小さい。その反対もよくないです。
胸から上が前後に動かないように、バランスよく同じ距離の前後傾の柔軟性があるかをチェックしてください。
第四章【くびれエクササイズ前のオススメストレッチ】
④-1 上部胸郭ローテーション
立っておこなうくびれストレッチです。
このストレッチをおこなうと、③-1の柔軟性チェックで硬い方に効果を発揮し、この後のくびれエクササイズがさらに効いてきます。
↑まずはこのように、両方の膝の内側でボールを挟み(挟めるものならなんでよいです)、軽く膝を曲げます。
上体は起こして背筋を伸ばしておいてください。
↑この状態からボールをしっかりと挟み骨盤を動かさないようにしながら、上体(主に胸から上)を片側に捻っていきましょう。
↑そして最大限に捻ったポジションで止まり、このように反対側へ腕を伸ばしながら、カラダを倒していきます。
↑反対側へ倒す、このような捻った側へ倒す動作を5回~10回繰り返してください。
回数が多くなるにつれて、少しずつ可動域が大きくなってきます。
これを左右両側おこないますが、硬い側をもう1セット追加しておこなうと左右差を整えることができます。
④-2 下部胸郭ローテーション
うつ伏せでおこなうストレッチです。
このストレッチは腹筋の伸張感を得ることで下部胸郭をストレッチしていき、くびれを作る土台を築いていきます。
↑まずうつ伏せになり、恥骨を床に押し付ける感覚で力を入れます。この感覚を持つことで、腰の負担を軽減できます。
片側の膝を90°に曲げておきましょう。
↑その後、このように片側のおなかの筋肉が伸びる感覚を持ちながら、骨盤&足を上げてさらに捻っていきましょう。
このストレッチは、腹筋の伸張感を出し、下部胸郭の柔軟性を上げることができてきます。
こちらも左右差を確認し、硬い側をもう1セット追加してください。
④-3 背骨&股関節ストレッチ①
王道のよつばいストレッチです。
このストレッチをおこなうことで、背骨さらには股関節の柔軟性を連動して上げることができます。
さらにこのストレッチ自体、くびれエクササイズともなります。
↑まず、よつばい姿勢になったまま、鼻で息を吸います。そして口で息を吐きながら背骨を丸めていきます。できれば、骨盤、腰、胸椎の順番で下側から丸めていく感覚を持ってください。
背骨を丸めきったら、その丸めた姿勢で止まったままで鼻で息を吸いましょう。そして口で息を吐きながら、今度は背骨を反っていきます。
こちらも先ほどと同じように、骨盤、腰、胸椎の順番で下側から反っていく感覚を持ちながらおこなってください。
この反復動作を5~10往復繰り返すと、背骨&股関節の柔軟性が高くなってきます。
④-4 背骨&股関節ストレッチ②
先ほどのストレッチは猫のように背骨を曲げ伸ばしするものでしたが、今回のストレッチは横方向へ可動域を上げていくものです。
↑まずは、よつばい姿勢になり、このように片側の手の親指を上にして、前に伸ばします。
↑その後、背中の筋肉が伸びていく感覚を得ながら、このように背筋を丸めていきながら、上半身を踵のほうへ移動させていきます。
↑そしてさらに、このように片側へ上体を倒していきましょう。
そうすると、移動した側の背中の筋肉の伸張感、背骨の横方向へのストレッチを高めることができてきます。
このポジションで、30秒キープしてよつばい姿勢に戻り、反対側も同じようにおこなってください。
左右両側交互におこない、左右差も比較して整えていきましょう。
第五章【くびれに欠かせないインナーマッスル】
⑤-1 ドローイン
いよいよエクササイズです。
メリハリあるウエスト作りのポイントには、インナーユニットの機能向上が欠かせません。
そこのトレーニングであるドローインをまずはご紹介いたします。
↑まずこのように膝を曲げて仰向けになり、両手をおなかの上に当てます。
↑そして鼻で息を吸っておなか全体を膨らませていきます。胸は膨らんではいけません。
おなか前面、わき腹、腰周り全体を膨らせる感覚を持ちましょう。
↑おなか全体を膨らせることができたら、今度は口で息を吐きながら、おなか全体を細くし、なおかつ男性では睾丸、女性では膣を頭方向へ引き上げる感覚を持っていきます。
まるでコルセットを締める、着物の帯をグッと締める様にウエストを細くしてください。
このように吐いていくことで、横隔膜、腹横筋、骨盤底筋群、多裂筋を協調よく働かせることができてきます。
この動作を10回繰り返していきましょう。
⑤-2 よつばいインナーマッスル
このくびれトレーニングもご自宅で道具いらずにできるものです。
↑まず、このように両側の脛を床につけたよつばい姿勢になり、ウエストを細くするような感覚で、おなかに力を入れてください。
そして片足と反対側の腕をこのように床と平行になるように上げていきましょう。
手足は、足のほうが重たいですので、バランスが崩れやすいですが、おなかに力を入れてバランスを取る感覚を得てください。
↑この姿勢から今度は、このように背骨&骨盤を丸めながら、上げた肘と膝をくっつけるようにしていきます。
この時もおなかにしっかりと力を入れておくことで、ウエストくびれエクササイズとなります。
この反復動作を片側往復10回繰り返してください。
↑このエクササイズが簡単にできましたら、このように床についている脛を上げて、同じように繰り返してください。
難易度が上がり、くびれエクササイズ強度アップバージョンとなります。
⑤-3 うつ伏せリブフレア改善
このエクササイズは、肋骨の広がりがあるリブフレア現象がある方にオススメです。
↑まず、このように両足を伸ばして、肘をついて胸を張ったうつ伏せ姿勢となります。
恥骨で床を押す感覚をまずは持ってください。
↑そして、ウエストを細くする感覚でおなかに力を入れて、このように胸を張ったままで、片足と反対側の腕を上げていきましょう。
おなかの力を抜かずにエクササイズをおこなうことで、リブフレアが改善し、肋骨が内側へ締まってきて、ウエストのくびれ作りに効果を発揮します。
この反復動作を片側往復10回繰り返してください。
第六章【外腹斜筋もトレーニングすべし】
⑥-1 クランチローテーション
王道の起き上がりエクササイズの1つです。
外腹斜筋は下部肋骨を内側へ引き込む作用がありますので、このエクササイズはインナーユニット活性化後におこなうとくびれ効果を発揮します。
↑まずは、仰向けになり、ウエストを細くするような感覚で、おなかに力を入れてください。
↑そしてこのように片腕を反対側の膝の外側へタッチするように、上体を斜めに引き上げていきます。
なかなか起き上がれない方では、反対側の手で床を強く押して起き上がってもよいです。
顎があがらないように、背骨を床から丸めながら離す感覚で上体を起こしていくことが大切です。
この反復動作を片側往復10回繰り返してください。
⑥-2 横向きくびれエクササイズ①
インナーユニット活性化エクササイズ後のアウターくびれエクササイズです。
腹横筋よりも外腹斜筋を活性化させていきます。
↑まず、横向きになり両足を重ねて、このように上半身よりも約30°前方に足をセットします。
ウエスト全体を細くする感覚でおなかには力を入れておいてください。
↑そしてこのように、上側のわき腹の筋肉を意識しながら、両足を上に上げていきましょう。
骨盤が動き過ぎると、わき腹への効きが逃げてしまいますので、あまり骨盤が動かないように気をつけてください。
この反復動作も片側往復10回繰り返してください。
⑥-3 横向きくびれエクササイズ②
こちらもインナーユニット活性化におこなうことをオススメいたします。
↑先ほど①のように、横向きに寝ておなかに力をいれます。
そして、このように上側足を90°に曲げて床と水平のところで保持してください。
↑そして、上側のわき腹を意識しながら、上側の手を下側足に近づけていくように上体を起こしていきましょう。
下側の足は床から浮かせておきます。
下側の手で床を押してよいので、しっかりと上体を起こしていくことで、上側のわき腹を鍛えることができます。
この反復動作を片側往復10回繰り返してください。
【まとめ】
ウエストのくびれの法則を理解いただけましたでしょうか?
ウエストのくびれを作るためには、摂取と消費のカロリーバランスを消費カロリー優位にするだけでなく、その方の骨格からどこをストレッチして、どこを鍛える必要があるのかを評価し、改善することが大切です。
そして、柔軟性のバランスを改善し、姿勢を整えて、わき腹のくびれを作る作用があるインナーマッスル、外腹斜筋の活性化エクササイズは欠かせない要素となります。